スライディングシートとは
スライディングシートは簡単に言いますと、身体の下に敷き込んで軽い力で身体を移動させる福祉用具です。
私は在宅サービスでの関わりが多かったため、納品先は個人宅がほとんどです。
在宅での利用の多くが特殊寝台(電動ベッド)上での寝位置の修正です。
特殊寝台で背上げ動作を行うとベッド上に角度が付き、足方向へ身体がズレてしまいます。
そのズレを直すために、無理に利用者の身体を引っ張ったり、やむを得なくズレたままの位置で過ごしたままになっていたりします。
そのようなときに紹介させていただくのが「スライディングシート」です。他にも「移乗シート」と言ったり、商品名で「いざえもん」などと伝わっていることがあります。
ご家族様の目の前でスライディングシートを広げると「どのように使用するの??」という感じでした。敷き込み方など使い方を実演し見ていただくことにより、思わず「おおおっ!」という表情を皆さんされていました。
介助者(家族)の自分たちが今まで腰を痛めながらも、がんばって利用者の身体を浮かせたり移動させたりしていたのが、目の前で軽々と移動させている…という状況への驚きだと受け取っています。
ただし、この軽々とした動作を行うためには、事前にシートの敷き込み方と、シートの抜き取り方を覚える必要があります(注意事項も)。この部分を一度クリアできると、その後の暮らしは楽になること間違いなしです!
オススメのスライディングシートは移座えもんBLACK
私がよく紹介しているスライディングシートの1つに、モリトーの「移座えもんBLACK」があります。
この商品の良い点は…
- シート面が内外とも滑りやすいので、軽々と身体を移動できる。
- シート表面の耐久性が高いためシワになりにくい。
- シート自体が薄いため、身体の下に敷き込みやすく抜き取りやすい。
- 寝ているときには利用者の頭の方向から一気に敷き込める。(簡単な方法)
- お手頃な価格帯。(M:3300円、ML:6050円、L:8250円)
※モリトー様のHPより画像引用
使用用途とサイズについて
このスライディングシートですが、使用するサイズによって基本的な用途が分かれます。ここで言う軽度の方とは、腰を足裏で踏ん張って浮かせられるということです。
- Mサイズ~軽度の方の寝位置修正、車椅子⇔ベッド(Pトイレ)への移乗
- MLサイズ~重度の方の寝位置修正
- Lサイズ~ベッド⇔リクライニング車椅子(ストレッチャー)への移乗
介護施設こそスライディングシートを使ってほしい
このようなスライディングシートですが、介護施設では敬遠されがちな傾向があると感じています。(すでに導入されている施設もたくさんあるかと思いますが…)
その理由を考えてみますと…
- シートの敷き込み方や抜き方などを覚える必要があり難しそう。
- 時間がないため敷き込む時間があれば、人を呼んで一気に人力対応する。
- いちいちシートを準備するのは大変。
ただし、スライディングシートは解決できる理由があります。
解決方法ですが!!
- 側臥位にする方法であれば簡単に敷き込めます。介護士さんには慣れた動作だと思います。抜き取り方はシートの下側を引っ張るだけで、これも簡単。
- 寝位置の修正であれば、大きな身体の方でもベッド上では一人で寝位置を修正できます。時間を有効に使えますし、持ち上げ動作等による腰痛のリスクもかなり軽減できます。
- シートは各部屋に置くのではなく、介護士さんのポケットに忍ばせておきます。薄いシートのためMサイズやMLサイズであればポケットに入るはずです。
というように、高齢者が多く暮らす介護施設の方がスライディングシートを使用される場面も多いことから特にオススメです。
また、利用者様の身体に負荷をかけて移動させるよりも怪我のリスクが軽減できます。スタッフの皆様にとっても、身体の負担軽減も時間の効率化もクリアできるのではないかと考えます!
もちろんスライディングシートは使用方法もサポート!
スライディングシートを検討される介護施設様には、れんくる千歳の福祉用具サポートの一つである場面に応じた使用方法や注意点なども合わせてお伝えいたします。
短時間でスタッフ様にお伝えすることもできますが、できれば、お時間を取っていただきプチ研修会のような感じで実演させていただいた方が分かりやすいと思います。気になりましたら、遠慮なくお問い合わせいただければと思います。(メールフォーム)
今回、紹介させていただきました「移座えもんBLACK」のモリトーの商品紹介HPはこちらです。
You Tubeにも公式動画が掲載されています。