最近のエアマットレスは高機能のものが増えました。
マットレス自体の硬さ変更や体重の自動設定などに加え、内部を温める機能や離床センサー的な要素を持ったものまで開発されています。
今回は、いかにも迷ってしまいそうな体位変換機能付きのエアマットレスについて考えていきたいと思います。
あくまでも初任者向けに概要のみお伝えするので、詳細については専門書やメーカーサイトの商品紹介をご参照ください。(下記にリンクあり)
体位変換機能とは
エアマットレスの特徴として、床ずれの予防に効果が高い「圧切り替え機能」があると以前に説明させていただきました。
その圧切り替え機能だけで十分な場合もありますが、より高い床ずれの予防効果が必要な場合には「体位変換機能付きのエアマットレス」を選定する必要があります。
体位変換を簡単にお伝えすると、寝ている身体に傾きを付け、身体にかかっている圧力を移動させるということです。
体位変換は従来から、クッションなどを使用して寝ている向きや姿勢を介助者が変えることで行ってきました。しかし、夜間など対応ができない場合もあるため、そういった方々のために体位変換機能付きエアマットレスは有効な福祉用具だと考えています。
体位変換の方法は各メーカーや機種ごとで異なっているため、詳細はメーカーのサイトで確認いただければと思います。
今回は体位変換機能付きエアマットレスの紹介と、私の選定方法についてお伝えいたします。
体位変換機能付きエアマットレスの紹介
モルテン オスカー
オスカーの特徴
- 体位変換は左右の傾きで対応する。
- ハイブリットタイプは両端がウレタン製。介護者が膝を乗せても安定しやすい。
- エアセルをの温度を32℃程度に維持できる「ひえ対策」モードがある。
- 高機能なため体位変換の時間や角度など細かな要望に応えられる。
ケープ ラグーナ
ラグーナの特徴
- 体位変換は頭、脚それぞれの対角線上に傾きを付ける。(15分間隔)
- 上記の体位変換動作は背上げ角度30度以下の場合のみ使用ができる。
- 背上げ角度に応じて自動で内圧を変化できるため、臀部の底づきを予防できる。
- 40~60kgの方であれば体重は自動調整してくれる。(かんたんモード)
- オプションでマットレス内を温めることができる専用のパッドがある。
モルテン アマンダ
アマンダの特徴
- 体位変換はオスカーと同様の左右の傾きに加え、上面の左右部分でも除圧できる。
- リモコンがシンプルなため簡単に操作がしやすい。
- マットレス内に感知センサーが内臓しているため、起き上がり・離床等の動きを感知し、離れた場所にいる介助者に伝えることができる。(おしらせ機能)
- おしらせ機能は無線受信機が付属し、無線到達距離は見通し約50m。
- ハイブリットタイプは両端がウレタン製。介護者が膝を乗せても安定しやす
体位変換機能付きエアマットレスの選定について
それでは、どういった利用者にどの体位変換機能付きエアマットレスを選定したらよいかを考えてみます。あくまでも個人的な見解ですので参考程度にご覧ください。
床ずれが発生している方、もしくは床ずれリスクが高い方
- モルテン オスカー
- ケープ ラグーナ
- モルテン アマンダ
どの機種を選んでも効果は期待できるため問題はありません!!
ただ、棲み分けをするならば、モード設定の多さ(しやすさ)、体位変換の動作、付加機能あたりで選定が分かれるかもしれません。
体位変換時の傾き角度や動作などを細かく調整したい
- モルテン オスカー
細かな設定が得意なのはオスカーです。訪問看護さんからの品名指定も多いです。
利用されている方に違和感を軽減しながら体位変換ができる
- ケープ ラグーナ
- モルテン アマンダ
体位変換時の傾斜の付け方が工夫されていて、体位変換における違和感が少ない。
利用されている方の動きを知りたい(離床センサーも利用したい)
- モルテン アマンダ
付加価値ではありますが、離床センサーを同時に使いたい方には、アマンダを使用すると同時に対応できる場合があります。
まとめ
エアマットレスの中でも高機能タイプのさらに上という位置づけの体位変換機能付きエアマットレス。
大は小を兼ねるわけではないですが、頻繁にマットレスを変更できない寝たきりのご利用者様などの場合には、皮膚状態の悪化や介護負担を考慮して、想定よりもワンランク上のマットレスを選定することもあります。しかしながら、各マットレスごとに機能や特徴が大きく異なりますので、ご利用者様やご家族様のご意向に沿ったマットレスを選定してほしいと思います。